10月中旬を過ぎると、ギンナンは熟成し、風が吹く度に実がパラパラと落ち始めます。
10月下旬から11月の上旬は、ギンナンを拾い集めている方を、よく見かけますね。
でも、独特の臭いには閉口します。
頭の上に、ギンナンが落ちて来たら…なんて考えると、イチョウの木の下は出来るだけ通りたくない位です。
また、ギンナンには毒性があり、食べ過ぎると中毒症状が出たり、直接皮膚に触れるとアレルギー症状を起こしたり、なのに危険を冒してまでも食べたい!のは何故なんでしょうか。
それだけ美味しいんですよね。
モチモチとした食感、香ばしい味たまりません
本日は
- ギンナンの臭い成分とは?
- 何故中毒症状が出るの?
- どんな成分がアレルギーを起こすの?
について書きたいと思います。
目次
臭い成分
ギンナンの臭いが、物が腐敗した時の臭いに似ていることから、死体の臭いだと表現する人もいました。
また、脂と雑菌が混ざり合い臭くなった、足の臭いと表現する人もいます。
メチャ臭い!!!ですね。
その臭いの成分は
- 酪酸(らくさん)または、国際純正応用化学連合名ではブタン酸
- エナント酸、国際純正応用化学連合名ではヘプタン酸
酪酸
バターなどの乳製品にも含まれています。
また人間の皮脂にも含まれています。
独特の不快臭があります。
エナント酸
腐敗したような悪臭成分。
中毒を起こす成分
英名ギンコトキシン、別名4′-O-メチルピリドキシン
ギンコトキシンは、ビタミンB6の構造によく似ています。
ビタミンB6は、タンパク質の代謝に欠かせない栄養素で、神経伝達物質(脳細胞の中で、情報のやり取りをする)の合成も担っています。
ここからが問題です。
ギンコトキシンがビタミンB6の振りをして、居座り続けるので、ビタミンB6があると思った身体が、本当のビタミンB6を作らなくなります。
作らないから足りなくなる。
足りなくなるから、ビタミンB6欠乏症となります。
すると、神経にも異常を来たし、てんかん似た症状や手足のしびれを引き起こします。
また、血液中のヘモグロビン(酸素を全身に運搬する働き)を作ることが出来なくなり、貧血になります。
アレルギーを引き起こす成分
ギンナンの外皮(軟らかい部分)には
- ビロボール
- ギンコール酸
という成分が含まれています。
漆(うるし)と似た成分が含まれるために、漆にアレルギーがある人は、素手で触ることは控えてください。
また、傷などがある場合は、傷口から成分が入りアレルギーを起こすことがあります。
実際あった事例
50~60個を食べ、7時間後に嘔吐・下痢症状が出て、9時間後に全身性けいれんを起こした。(2歳女児)
50個を食べ、3時間後に全身性けいれんを起こした。(1歳男児)
60個を食べ4時間後から、嘔吐・下痢・両腕のふるえを起こした。(41歳女性)
薬にもなるギンナン
色々挙げていくと、不安にはなりますが、大量に食べた場合ですから、限度をわきまえれば健康や美容に良いということも忘れないでくださいね。
高血圧予防
ギンナンには、カリウムが含まれています。
カリウムは、摂り過ぎた塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。
お肌のアンチエイジング
ギンナンには、ビタミンA・C・Eが含まれています。
ビタミンAは、お肌の新陳代謝をうながし、ビタミンC・Eはお肌の酸化を防ぐ効果があります。
シミ対策にGOODですね。
喘息予防
痰を取り咳を鎮める働きがあります。
子どもに食べさせるとバカになる?
昔の人は、ギンナンを子どもに食べさせるとバカになると言っていました。
乳幼児は特に、毒素を分解できる力がないので、わざわざギンナンを食べさせる必要はないですよね。
美味しいものは、大人だけの楽しみにしておこう。
大人になってから、楽しみなさい。
そういう気持ちからなのでしょうか。
私も、小学校に上る前に、こっそり1パック食べてしまったことがあります。
食べ始めたら、おいしくって止めれない
20個食べてしまった頃、母に見つかり怒られました。
何も、その後起きなかったので、トラウマにならず済みました。
茶碗蒸しに1粒入れて、味を楽しむ位が丁度良いかもしれませんね。